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TOP Interview

日本企業らしい誠実さを武器に成長分野への投資を本格化していく

後工程専業メーカーとして国内トップシェアを誇るジェイデバイスは、2015年12月にアムコー・テクノロジー(以下Amkor)グループの一員になりました。そして2018年3月には代表取締役社長にルネサスエレクトロニクス出身の江本が就任し、現在は新しい体制のもとでさらなる変革へと舵を切り始めています。これまで培ってきたジェイデバイスの文化や強みはどう変わり、どこに向かっていくのでしょうか。トップが自らの言葉で語ります。

株式会社ジェイデバイス 
代表取締役社長
江本 裕

株式会社ジェイデバイス 代表取締役社長 江本 裕

■ジェイデバイスは信頼できる取引先だった

私は半導体の世界で30年以上にわたって仕事をしてきました。最初は日立製作所で技術者としてキャリアをスタートし、米国駐在やシンガポールの製造本部を経験した後に、ルネサステクノロジとルネサスエレクトロニクスで営業・マーケティングから資材調達まで、経営にまつわる業務を全方位的に学びました。またルネサス在籍時には、私自身が交渉の主担当としてジェイデバイスへの工場譲渡に携わったこともあり、ジェイデバイスのことはよく知っていました。

経営を幅広く学び、一人のビジネスパーソンとしていつかは社長業にも挑戦してみたいと思っていたところ、幸運にもジェイデバイスの社長就任の誘いがかかりました。外部から見たジェイデバイスは、デリバリーが遅れず不良品も少なく、仮にトラブルが起こったとしてもしっかりとリカバリーしてくれる、安心できる取引先でした。そんなジェイデバイスであれば、半導体業界における私の専門性を活かせることはもちろん、Amkorグループであるが故のグローバル・マネジメントを学ぶこともできます。最終的にジェイデバイスの社長就任を決断したのは、企業としての魅力や可能性に加えて、自分自身のチャレンジという側面も色濃くありました。

■自動車向け半導体の技術を尖らせる

ジェイデバイスは日本の半導体企業の文化が混ざりあっています。日本国内の名だたる企業の後工程の技術を幅広く持っており、技術のポートフォリオに穴がないことが強みでもあります。多様な技術を持った人材が集っていることは他社にはないジェイデバイスの大きな特長ですが、しかし一方で、今後は特定の分野に特化して強みを尖らせていくことも必要だと考えています。

現在、40兆円規模である世界の半導体市場の中で、日本国内の市場は約3兆円。そのうち後工程市場は約6,000億円程度であり、これからさらなる成長が期待されています。その中でも特に今後の成長が見込まれる分野として、私たちは車載製品に注目しています。

近年、自動車に使用される半導体の数は年を追うごとに増加しています。自動車の生産台数は大きく変わらずとも搭載される半導体製品の数は2倍、3倍と増え続け、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転などの革新的な技術の進化によってさらに拡大するでしょう。今後中長期的な観点で、車載半導体のプロモーションに注力していきます。

■車載分野における圧倒的な優位性

自動車に使用される半導体は、一つの不良が人命に関わる可能性があるため、他の製品とは異なる厳しい品質管理が求められます。また高品質のみならず、お客さまのさまざまな要求への柔軟な対応力が求められる分野でもあります。この車載の分野でジェイデバイスは国内最大シェアを誇り、グローバルマーケットでもエンジンコントロールなどに代表される重要な製品のシェアで世界トップのポジションに位置しています。長期的な成長が見込まれている分野ですから、当然競合他社も車載ビジネスを狙っています。しかしジェイデバイスは車載分野に関して他社を大きくリードする実績があり、またお客さまの多様な要求にお応えする豊富な経験を持っています。これは他社が容易に真似できるものではありません。

車載分野には2通りのビジネスがあります。一つは「走る・曲がる・止まる」という自動車の基本的な動作に関する部分で、エンジンやブレーキのコントロールなど非常に高い信頼性が求められる領域です。このような製品の後工程には主としてワイヤーボンディングという熟成された接続技術が使われ、ジェイデバイスが長い年月をかけて培ってきたスキルが活かされます。たった一つの不良品さえ市場に出してはいけないという厳しい品質管理が求められるからこそ、自動車メーカーは車載製品を製造するサプライヤーの選定に非常に慎重にならざるを得ません。結果的に多くの場合、一度製品が導入されると10年程度は採用され続けることになり、サプライヤーとしては安定したビジネスを確保できます。ジェイデバイスは、それだけ信頼性の高い製品を提供し続けているという実績と、安定したシェアを保持しているのです。

そしてもう一つは、次世代の自動車産業の方向性を表すキーワードと言われているCASE(Connected:コネクテッド、Autonomous:自動運転、Shared / Services:シェア/サービス化、Electric:電動化)やADASを実現する新しい技術領域です。車載半導体としての堅牢性や信頼性が求められるのは同様ですが、このような分野に使われる半導体には高速信号処理、大電流対応、省電力などが求められるため、用途に応じた多様な接続技術が必要とされます。こうした新しい技術領域についても、ジェイデバイスは国内の自社工場のみならず、Amkorグループの様々な特色を持つ各工場を活用することが可能です。各工場が強みとする分野に、ジェイデバイスの車載製品における豊富な実績に基づいた生産技術や工程管理を展開することで、お客様のご要求に幅広くお応えすることができるのです。

株式会社ジェイデバイス 代表取締役社長 江本 裕

■日本企業らしい誠実さが強みに

ジェイデバイスは日本企業らしい誠実さも変わらずに持ち続けています。ジェイデバイスの倫理基準である「正・精・誠」という「3つのSAY」にもその姿勢が色濃く表れていると思います。この「3つのSAY」はジェイデバイス発足以来の倫理基準ですが、これには私も深く共感しており、大切な言葉として今も掲げています。

モノ作りというものは、厳しい管理を積み重ねても時として不良が発生してしまうこともありますが、そのような場合には迅速に不良解析を行い、的確な対策を講じ、お客さまの必要とするポイントをしっかりと捉えたレポートを速やかに提出します。車載ビジネスのサプライチェーンは1日止めただけで多額の損失となる世界であり、さらには製品の在庫も最小限に抑えるという特徴があるため、サプライヤーには難しいオペレーションが求められます。デリバリートラブルを起こさず、お客さまの要求する出荷を間違いなく遂行するという“誠実さ”は、自動車のサプライチェーンにおいては非常に重要なことです。

そうした高度な要求に応え続けてきたのがジェイデバイスです。前職に在籍していた当時から、私もジェイデバイスに大いに信頼を寄せていました。この誠実さは海外の競合企業を圧倒できる強みであり、それが日本最大規模を誇る生産能力とお客さまからの厚い信頼につながっています。

■海外の文化も取り入れていく必要がある

しかし今、私が代表取締役社長という立場から見ると、ジェイデバイスの文化は「真面目すぎる」と感じることもあります。何事にも対応できる巡航速度で安全運転をしている印象ですが、本当はもっとスピードを上げることもできるはずです。実はまだまだポテンシャルを秘めた会社だと考えています。

また、日本企業らしい誠実さやビジネス対応力は強みである一方、グローバルで見ると必ずしもプラスに働かない側面もあります。例えば、海外の競合企業はお客さまに対しても厳しい折衝を行います。お客さまの難しい要求に応えるときは、それに相応する価格の交渉を行う。本来要求すべきことは要求するという海外の文化もある程度は取り入れていかなければ、グローバルで生き残っていくことは難しいでしょう。サプライチェーンの関係者たちが必要以上にコストを負担し疲弊する構造を脱するためにも、必要に応じて海外のやり方を取り入れていくことも重要です。ジェイデバイスは日本企業らしい良いところは残しながらも、グローバル企業の一員として変わるべきところは変えていきたいと考えています。

■Amkorグループにおけるジェイデバイスの位置づけ

Amkorは2015年まで日本のマーケットに広く進出しておらず、車載製品のシェアは限定的でした。ジェイデバイスはその両方を持つ企業という点で、Amkorにとって極めて重要な存在です。私がAmkor側から受けているミッションの一つは、「日本のシェアを最大化する」というもの。それをどのように実現するかは、ジェイデバイスに委ねられています。日本のマーケットの特異性とジェイデバイスの強みはAmkorも理解してくれています。だからこそ、グループの一員になっても「ジェイデバイス」という名前を残しているのです。

そしてもうひとつのミッションは、「海外の車載ビジネスを獲得すること」。ジェイデバイスの豊富な実績を活かし、世界中のお客さまの車載製品を、日本の、ジェイデバイスの工場で製造する。あるいは、Amkorの工場を活用しジェイデバイスの車載品質の生産管理手法を移植する。ジェイデバイスで長年培ってきた日本のモノ作りで、今後は海外のお客様にも大きく貢献していきたいと考えています。

半導体産業は年率10%近い成長率を維持する産業であり、グローバルで2025年には70兆円規模に拡大すると試算されています。そうした状況の中でAmkorグループは比較的良いポジションに立てていますが、私たちはそのことを認識しながらも満足・慢心することなく、マーケットシェアの拡大に挑戦していきます。それを技術・製造の両面で実現できるグローバルファクトリーのサポート体制がAmkorグループの強みであり、その強みを活かしグループ一丸となって、世界に対して最大シェアの獲得をめざしていきたいと考えています。

株式会社ジェイデバイス 代表取締役社長 江本 裕

■成長市場で、失敗を恐れずにチャレンジ

半導体製造には多くのプロセスがありますが、その中で後工程は半導体を製品として完成させる最後の工程という極めて重要な役割を担っています。ジェイデバイスで働く魅力の一つは、次世代の社会を支える半導体の製造に、より完成品に近い、ユーザーに近い立ち位置で携われるという点。そしてもうひとつはグローバル企業の一員としてキャリアを積める点です。日本には他にも優秀な後工程専業の企業はありますが、その中でジェイデバイスほどグローバルな環境で働ける企業はないと言えるのではないでしょうか。

また、ジェイデバイスには新しいことを始めるチャンスが数多く存在しています。何事も失敗を恐れずに挑戦し、最後までやり遂げる強い意志を持った方にとっては魅力的な環境です。周りとのコミュニケーションを楽しみながらも、議論を恐れず、それでいて人への優しさを持った方は必ずジェイデバイスで活躍できることでしょう。

今、グローバルの車載マーケットという巨大な成長市場に対して、ジェイデバイスは極めて有利な立場にいます。高い成長性を秘めた分野で働き、新しいことに挑戦したいという方は、ぜひジェイデバイスで活躍してほしいと思います。

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